A 障害の原因となった傷病について、初めて医師などの診療を受けた日が初診日です。
しかし、この初診日の概念は非常に曖昧な部分もあります。
例えば、眼精疲労や眼のかすみを自覚して、近くの眼科を受診した際、そこでは特に異常が見つからず、簡単な点眼液だけを処方されて様子を見ましょうと言われたとします。
その後、目薬をさしてしばらく様子をみていましたが一向に改善しないため、不安になって別病院を受診したところ「網膜色素変性症」という病名を告げられました。
この場合、初診日は「網膜色素変性症」と診断された日ではなく眼に異常を感じて初めて受診した日になります。
つまり、たとえ病名が確定していなくても、またそれが誤診であっても、何らかの症状を自覚して初めて医師の診療を受けた日を初診とします。
このように初診日とは患者さんによってケースバイケースです。
また、この初診日証明は障害年金を請求するうえで絶対に必要な要件となります。
初診日を患者さんと一緒に探すのも私たち社労士の仕事の一つになります。
Q 4. 障害を持ったらすぐに障害年金を請求できますか?
A 障害年金を請求できるのは原則として初診日から1年6か月後以降です。
この初診日から1年6か月経過した日を「障害認定日」といいます。
初診日が20歳前にある方に関しては、初診日から1年6か月後の日、もしくは20歳に達した日の、どちらか遅い日が障害認定日となります。
例えば17歳2ヶ月の時点で初診日があった場合は、障害認定日は1年半後の18歳8ヶ月ではなく、遅い方の20歳になった時が障害認定日となります。なぜなら障害年金を受給できるのは20歳以降だからです。
一方19歳2ヶ月の時点で初診日があった場合は20歳が障害認定日ではなく、それより遅い1年半経過後の20歳8ヶ月が障害認定日となります。
Q 5. 障害認定日に症状が軽い場合は障害年金の受給はできませんか?
A 障害年金の請求は、障害認定日の障害状態で請求することが基本ですが、障害認定日における障害の状態や程度が、国民年金法および厚生年金法が定める障害の程度に該当しなかったものの、障害認定日以降に該当した場合はその時点で請求することができます。
これを「事後重症」による請求といいます。
65歳に達する日の前日まで、請求することが可能です。
また、障害認定日に障害の程度が該当していたにもかかわらず、障害年金制度を知らなかったことなどにより、請求をしなかった場合は、さかのぼって過去5年分までの年金を請求することができます。
これを障害認定日の「遡及請求」といいます。
Q 6. 障害年金の支給・不支給が決まった後の流れを教えてください。
A 年金請求後、障害厚生年金は3か月~4か月後、障害基礎年金は2か月~3か月程度経つと結果の通知が自宅へ届きます。
支給される場合は「年金証書」が郵送されます。
年金の支払いは通常、年金証書が届いたのち1ヶ月~2か月後の15日に指定の金融機関に振り込まれます。障害認定日による遡及請求をした場合は、障害認定日の属する月の翌月分からまとめた額が振り込まれます。
事後重症による請求の場合は、請求した月の翌月分から支払われます。
また不支給の通知が届いても、納得できない場合は通知書を受け取った日から3ヶ月日以内に「審査請求」(不服申し立て)をすることができます。
Q 7. 障害年金を受給できる年齢に制限はありますか?
A 原則として20歳から65歳までの方が対象です。
例外もありますので、詳しくはお問い合わせ頂ければお答えいたします。
Q 8. 障害年金の額はいくらですか?
A 障害年金の支給額は「障害基礎年金」と「障害厚生年金」とでは異なります。
2つを以下にまとめました。
【障害基礎年金の年額】
1級・・・993,750円(68歳以上の方は990,750円)+子の加算額
2級・・・795,000円(68歳以上の方は792,600円)+子の加算額
※子の加算額
第1子・第2子の場合・・・228,700円
第3子以降・・・76,200円
(子とは次の者に限る)
・18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
・20歳未満で障害等級1級または2級の障害者
【障害厚生年金の年額】
1級・・・報酬比例の年金額×1.25+配偶者加給年金
2級・・・報酬比例の年金額+配偶者加給年金
3級・・・報酬比例の年金額(最低保障596,300円(68歳以上の方は594,500円))
障害手当金・・・報酬比例の年金額×2
※報酬比例の年金額は、ご自身の加入年数や給料の額などが反映されます。
※配偶者加給年金は228,700円
※2級以上の場合は、障害基礎年金も同時に支給されます。
※2023年4月現在(年金支給額は物価スライド制により変動する場合があります)
Q 9. 障害年金はずっと受給できますか?
A 障害年金は永久認定(手足の切断等)以外、たとえば内部疾患の場合は障害の状態が変化することがあるので、定期的に日本年金機構に診断書を提出しなければなりません。
障害の程度が軽くなった場合、1級から2級、2級から3級、3級に該当しなくなった場合は支給停止されます。
ただし、再び該当する障害状態となり、手続きをすれば障害年金が支給されます。
Q 10. 遠隔地でも請求代行の依頼はできますか?
A 郵便やメール、お電話でのやりとりが可能であれば、地域によってお断りするといったことはありません。
障害年金に関することなら、お気軽にご相談下さい。
辰巳社会保険労務士事務所
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